おすすめ本

五味太郎 朝日新聞出版 勉強しなければだいじょうぶ

大好きな絵本作家「五味太郎さん」

五味さんのお子さんが不登校だと何かで読んで、

しかも五味さんが「学校に行きなさい」なんて一言も言わなかったということ

どうしたら、そんな大物の視点で子育てできるのだろうかと

衝撃を受けて、五味さんの絵本はたくさん読んだことがあるけれど

五味さんの思いが書かれた本を読んでみたいなーと

検索してみた。

五味太郎 朝日新聞出版
「勉強しなければだいじょうぶ」

こんな面白いタイトルの本を見つけた!

毎日子どもが勉強しないことで悩んでいるママさんたち

本当に目からうろこです!

「私は今まで子どもの何を見てきたんだろう・・」

「わが子のとってもキラキラしている大事なもの、それをわたしが潰してしまったのではないだろうか」

「勉強ができるように、少しでも偏差値の高い学校へ入れるように、がんばって子育てしてこなかっただろうか」

「なぜ、わたしはこんなに赤ちゃんのころから知育をがんばり、学校の勉強もできるように心配して

口出し、手を出し、漢字練習させて計算練習させて、どうしたら頭がよくなるか

お友達と仲良くできるように、、、

あれできるように、これできるように・・・・・」

 

そんな心配ばかりしてこなかっただろうか

五味太郎さんの視点は全く違う!

こんな考え方になるには時間がかかるだろうけど

知らないで過ごすのと、知っていて過ごすのでは180度違うから

読んでみて本当によかった

「勉強ができないダメ人間」を「勉強ができる人間にする」学校とは?・・勉強とは?

ダメな人間をダメではない人間にする、という発想。

「子どもはとりあえずダメで不完全な存在だ」と見なしてから始める学校教育というものがスタートしたわけです。これが今でも続いています。

~中略~

ただ、一般的に勉強ばっかりで学習が無い風土になってしまい、自分がなにをしたらいいのかわからない人がこれほど増えてしまったというのが問題なのです。

根本からもがけない。学校制度の中でしかもがけない。そんなタイプの人が多々いるのです。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

そう、まさしく!わたしのことだ!

「勉強」は出来るようになる

それは、与えられたことを「こなすこと」

それは、先生の言うことを「はい」ということ

それは、規律からはずれないこと

3歳の幼稚園時代からその訓練を受けてきたのだ

「まっすぐに並ぶこと」

「お友達とケンカをしないこと」

小学校、中学校、高校とどんどん続く

「先生には口答えしないこと」

「授業中はしゃべらないこと」

大学までいってもその延長

「周りの空気を読むこと」

「自分の意見を言わず出る杭にならないこと」

社会に出てからも

「会社の上司に気に入られるように」

「真面目にこなすように」

正解通りに答える訓練をする謎

クマが主人公のお話があって、「そのときのクマの気持ちを考えてみましょう」なんて言われて「わたしクマじゃないからわかんない・・・」と素直に答えたAちゃんの答は無視されます。そこで期待されるのは先生にもわかる答です。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

 

これは、ふとした講演会でみんなに聞いてみる楽しみになってしまったんですが、まあアンケートをとったわけですよ。「生活の中で三角形の面積を出さねばという場面に遭遇した人、そのときに、”底辺×高さ÷2”という公式を思い出して実際に計算したことのある方、挙手してみてください」・・・・まず、いないんですね。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

 

うすうす、大人も気づいているはず。

そう、微分積分なんていつ役に立つのだろう

あんなに勉強した平方根、いつ用いるんだろう

中高大と10年間も勉強しまくった英語、

なのに外国人を前にして、なぜ一言も話せないのだろう

 

じゃあ、勉強って何だろう?

学校って何だろう?

不登校になったらダメ人間とレッテルを貼られて

先生にも親にも怒られて

ひたすら「学校」という「学歴」というレールに戻るように

説得され、あんたが間違いと思い込まされ、、

そんなに、「正しい答」にハマるようにならないと

ダメなのかなあ・・

 

「愛し方」を知らない親たち

才能をのばすとか実力がつくということだけの目的で、一所懸命子どもを侵してしまう。教育が子どもを侵す。それで育ってしまった子どもたちだという気がするの、その親たちが。さらにその前の親たちが。

愛されなかった親たちの歴史なんだよね。

愛されなかった親たちの子どもはやはり愛されないわけですから、その子どもたちも愛するということについて心の準備もできていないということなんでしょう。実に根が深いわけです。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

世代間連鎖ということか

教育熱心なおばあちゃんが、わたしの母親を育て、

その母親がまた真面目にわたしを育ててきた

わたしはまた真面目に言うことを聞いて

「お利口さんな優等生」

にちゃんと育った

・・・んで?それで?

・・・本当の「わたし」はどこに行っちゃったの?

・・・「わたし」は何を考えていたの?

・・・「わたし」は何がしたかったの?

生まれ出た赤ちゃんをどうやって育てるかということを、さらに作為的に考えるしかないよね。彼らを取り巻く情報っていうのは、可愛らしいベビーグッズと絵本なんかも絡むのかなあ・・・ ~中略~

そこで若いパパママがなんとかすがるのが、今の育児論、教育論。そこでもほとんどハウツーものだよね。ハウツー本で勉強するんだよ。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

そう、これもまさしくわたしのことを言われているようだった。

どれだけの育児本を読みあさったか。

出産方法から、母乳育児、赤ちゃん教育、

抱っこひも、ベビーカーの選び方

幼稚園の選び方、早期幼児教育、

小学校で勉強についていけるように

・・・・・・・

不安だった

心配でどうしたらいいのかわからなくて

ハウツー本に答えを求めた

 

そんなママたち多いのではないかなあ?

 

不登校は悪いこと?

もう少し細い、弱い子がいるのです。そしていわゆる真面目な子がいるのです。そういう子のほうが多いのですよ。そして親です。弱い親がいるのです。~中略~ 今、学校に行っていないのは悪い子です。学校に行かないと「きみ、どうしたの?」とみんなに言われます。補導されちゃうわけです。ま、犯罪者です。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

なぜ、学校に行かないとこんなに責められるのだろうか?犯罪者扱い?

学校へ行けない子は、真っ当な道を外れてしまったダメ人間なのだろうか?

そんな疑問や不安に対して、五味太郎さんはズバッと答えてくれる

少しガッツのある子は、少し品のある子は、少し自信のある子は、少しのんびりした子は、少し付き合うことに疲れた子は、学校をやめていくんだ。学校という制度から少しどいてみようと思うんだよ。実に正しい選択だ。

 「勉強しなければだいじょうぶ」五味太郎 朝日新聞出版より

五味さんの視線は温かい

子どもへの愛があふれている

悩んでいる親も救われる

五味太郎さん「勉強しなければだいじょうぶ」まとめ

本当に素晴らしい本に出合えた

五味さんの言いたかったこと、

それはわたしも心の奥底にカギをかけてギュッと閉じ込めていたことだったから、

心に響いたのだと思う

「子どもが不完全だから直してやろう」なんていう親

「子どものミスを正してやろう」なんていう先生

ぶっちゃけそんなふうに言うことないだろうけど

心のどこかにそんな気持ちがないだろうか?

わたしなりに解釈したことは

「子どもの本来もっているキラキラ、大人がつぶすなよ」

「あれしなきゃ、これも出来なきゃ、と大人が焦っていない?何に焦っているの?」

「学校、学歴、勉強、行儀、そんな物差しで子どもを見て判断していないか?」

「大人自身、ワクワク毎日楽しんで生きているか?何かに縛られていないか?」

子育てしているパパママ、学校の先生、

みんなにほんと読んでほしいなあ!!

こんな素敵な大人に囲まれた子どもたちからは

「家庭内暴力」も「自殺」も「ひきこもり」も生まれないのではないかな・・

日本もあったかい愛にあふれた、のんびりした国になるといいなあ・・

素晴らしい本を出してくれた五味太郎さんに感謝!!

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